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2012(平成24)年、弊社の元従業員と従業員が胆管がんを発症したことが明らかになりました。厚生労働省の検討会では、この胆管がんの原因物質について、1996(平成8)年から2008(平成20)年の12年間にわたり、印刷機のブランケットと呼ばれる部分のインキを拭き取るために使用していた1、2-ジクロロプロパンを含む洗浄剤である蓋然性が高いという結論にとどめましたが、発症に業務起因性は認められるとして2013(平成25)年春に労働災害と認定されました。

 

改めまして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々、ご遺族の皆様、罹患され現在治療を続ける方々とそのご家族の皆様に、このような労働災害を発生させてしまったことを心より深くお詫び申し上げます。

あわせまして、災害に関して多大なるご心労、ご迷惑をおかけいたしましたお客様や同業他社様、地域の皆様方にも、心からお詫び申し上げます。

 

弊社としましては、これを真摯に受け止め、二度と労働災害を起こさないことを誓うとともに、安全安心な職場環境を維持し皆様に信頼される会社づくりを行ってまいります。

そして、弊社のような企業が二度と出ないこと、労働災害がこの世からなくなることを切に願います。

 

 株式会社SANYO-CYP

代表取締役社長 兼 CEO

山村 健司

概要

2012(平成24)年5月

オフセット校正印刷会社(株式会社SANYO-CYP)で「胆管がん」問題が明るみになる。

罹患者は5人(うち4人は死亡)。

この問題を受けて、厚生労働科学研究補助金厚生労働特別研究事業「印刷労働者にみられる胆管癌発症の疫学的解明と原因追及」と題する研究班が、疫学、産業保健、肝胆膵内科、肝胆膵外科、実験病理に携わる専門家によって組織される。

 

2012(平成24)年末

実態調査の結果、罹患者は17人と判明。

全員、オフセット校正印刷業務に従事していたことから、当時、洗浄剤として使用していたジクロロメタン(DCM)または1.2-ジクロロプロパン(DCP)が原因物質として強く疑われる。

 

2013(平成25)年

新たに1人の発症が確認され、罹患者は合計18人となる。 

 

2013(平成25)年3月

厚生労働省の検討会報告書によると「胆管がん」はDCMまたはDCPに長期間、高濃度曝露することにより発症し得ると医学的に推定でき、当該事業場で発生した胆管がんは、DCPに長期間、高濃度曝露したことが原因で発症した蓋然性が極めて高いことが報告された。また、DCMについては、胆管がん発症に影響を及ぼした可能性が考えられるが、発症原因として推測するには至らなかったとされている。この事業所ではDCMやDCPを含んでいる洗浄剤が使用されていた。当時、洗浄剤に含まれるDCPは特別規則の対象外であったが、専門家による検討会を経て、使用量や使用方法によっては労働者の安全や健康に害を及ぼす恐れがあると判断され、同年10月、DCPは特定化学物質障害予防規則の規制対象物質となった。そして「DCMやDCPにさらされる業務による胆管がん」が業務上疾病に分類され、ここではじめて胆管がんが「職業性胆管がん」として労働災害に認定された。

 

2014(平成26)年10月 

全ての生存患者や遺族と和解が成立。

 

2015(平成27)年6月 

株式会社SANYO-CYP以外で、19人が「職業性胆管がん」として労災認定された。

そのうち13人を調べたところ、12人が印刷労働者で、そのうち9人がDCPとDCMに曝露し、3人はDCMに曝露しているがDCPには曝露していませんでした。印刷業以外の1人は、ICカードに接着剤および帯電防止剤をコーティングする業務に従事し、DCPを使用していました。

胆管がん問題をきっかけに進められた法整備

DCPは、2013(平成25)年に労働安全衛生法(安衛法)による表示対象物質、特定化学物質第二類物質のエチルベンゼン等(後に特別有機溶剤に変更)に位置付けられ、特別管理 物質(特化物)に指定されました。また、有機則が準用さるとともに、特化則では、作業場への掲示、作業主任者の選任、局所排気装置の設置、作業環境測定の実施、呼吸器用保護具の着用、作業の記録、特殊健康診断の実施が義務付けられました。また、安衛則が改正され、要件を満たす者については、離職者も健康診断が受けられるよう健康管理手帳が交付されるようになりました。

その後、DCMをはじめ、発がんのおそれのある有機溶剤10種類が(特化物)に移行され、健康診断や作業の記録が30年保存に改められました。

また国で行うリスク評価制度が、2009(平成21)年に整備され、進められています。そこでは、リスク評価対象物質の選定方針の明確化、リスク評価・健康障害防止措置の検討プロセスの透明化、リスク評価(科学ベース)と措置の検討(政策ベース)の分離がなされ、リスクの判定は、曝露評価と有害性評価でもって行われるようになりました。

DCPも2012(平成24)年に初期リスク評価でリスクが高いとして、詳細リスク評価を行う準備が進められていました。

一方、事業者に対しては、一定のリスクがある化学物質についてリスクアセスメントを実施することが、安衛法の2014(平成26)年の改正で義務づけられました。リスクアセスメントの手順は、①危険または有害性の特定、②リスクの見積り、③リスク低減処置の検討、④リスク低減処置の実施、⑤リスクアセスメント結果の労働者への周知、とされています。

SANYO-CYPの取り組み

①安全衛生の知識の取得

安全衛生に対する知識を蓄えるために、さまざまな資格を取得しました。これにより、会社全体の安全衛生に対する意識レベルが格段に向上しました。

 

②安全衛生委員会の設置/産業医の選任

有資格者を中心に毎月1回の開催

議事録は社員全員に回覧するほか、社内ネットワークにていつでも閲覧が可能となっております。

 

③厚生労働省の「あんぜんプロジェクト」に登録 

主な取り組み

・リスクアセスメント評価・対策による予防処置

・HH(ヒヤリ・ハット)活動

・5S活動

 

④胆管がん健診の継続

DCPを含んだ洗浄剤を使用していた現職の従業員には、継続して半年に1度、胆管がん健診を行っています。退職した元従業員に対しては、健康管理手帳の交付を申請するよう呼びかけました。健康管理手帳の交付は国が行っている制度で、この手帳があれば国費で健康診断を受診することができます。

 

⑤平成28年度「『見える』安全活動コンクール」に応募

有機溶剤ばく露の見える化による対策と効果=優良事例に認定されました。

http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2016/result.html

 

⑥2018(平成30)年度「健康経営優良法人」に認定

従業員の健康の維持・増進が企業の生産性や収益性の向上につながるという考え方に立って、従業員の健康管理を実践しています。

SANYO-CYP印刷現場での取り組み

①全体換気装置への変更

印刷品質の保護のためには一定の湿度や温度の維持が必要ではありますが、安全第一の観点から100%のフレッシュエアを取り入れる全体換気装置に変更しました。これにより対策前は6~7回/時であった作業場の換気回数は、20回以上に改善されました。

 

②プッシュプル換気装置の設置

各印刷機の洗浄作業場に設置を行いました。

上部(天井)からフレッシュエアを取り入れ、下部(床面)で排気を行うことで、作業者の呼吸域の安全確保に繋げています。

 

③使用溶剤の選定

使用する溶剤に含有する物質については、専門家の意見を仰ぎ、毒性が低いことを確認したうえで使用しています。

④気中濃度測定、臭気測定の実施と結果公表(半年に1回)

2006(平成18)年以降、法定の作業環境測定を義務づけられた有機溶剤は使用しておりませんが、リスクアセスメントの観点から使用溶剤に含有するシクロヘキサンを用いて疑似的に気中濃度測定を実施し、第一管理区分相当との測定結果を得ております。

 

⑤「VEMサービス」の導入

有機溶剤曝露の見える化を活用することで、洗浄作業時の曝露ピークを見える化することに成功しました。これにより、洗浄作業時のどのタイミングで曝露率が高いのかを知ることができ、それに対する的確な改善を行うことができました。

※「VEMサービス」とは、中央労働災害防止協会が提供している、曝露の見える化ができるビデオ曝露モニタリングサービスです。

 

⑥さまざまな曝露防止対策

従業員の安全に対する意識の高まりを受けて、現場ではさまざまな取り組みが自発になされるようになりました。

・洗浄作業の削減

・洗浄剤容器の蓋をこまめに閉める

・洗浄剤の小分け作業は、全体換気装置の吸気口の前で行う

・防毒マスクの配布、着用の推奨

・洗浄剤使用時の手袋着用

 

※引用元

 発行所:中央労働災害防止協会

 中災防ブックレット3 「胆管がん問題!それから会社は・・・」

 (平成30年4月27日発行)

啓蒙活動

2017(平成29)年11月10日

第76回全国産業安全衛生大会「安全・健康の未来を研こう 神戸から」

会場:神戸国際展示場 

中小事業場分科会 

「胆管がん問題発端会社が、従業員とともに安全・安心な職場作りで一番大切な事を学ぶ」をテーマに労働安全管理活動を根幹で支える最も大切な事は何かをお話をさせて頂きました。

発表者 代表取締役社長 兼 CEO

山村 健司

 

2018(平成30)年8月29日

大阪衛生管理者連絡協議会

会場:エルおおさか南館

「胆管がん問題発端会社が、従業員とともに安全・安心な職場作りで一番大切な事を学ぶ」

発表者 代表取締役社長 兼 CEO

山村 健司

 

2019(平成31)年2月1日

モトヤコラボレーションフェア2019

「社長が語る、その時とその後~胆管がん問題!それから会社は・・・」をテーマにリスクアセスメントの重要性をお話しさせていただきました。

発表者 代表取締役社長 兼 CEO

山村 健司

2019(平成31)年7月17日

MOTOYA  SUMMER FAIR 2019 IN NAGOYA :名古屋国際センター別棟ホール

「社長が語るその時とその後、胆管がん問題!それから会社は・・・」をテーマにリスクアセスメントの重要性をお話しさせていただきました。

発表者 代表取締役社長 兼 CEO

山村 健司

2019(平成31)年7月26

MOTOYA  COLLABORATION FAIR 2019 :秋葉原クロスフィールド アキバ・スクエア

「社長が語るその時とその後、胆管がん問題!それから会社は・・・」をテーマにリスクアセスメントの重要性をお話しさせていただきました。

発表者 代表取締役社長 兼 CEO

山村 健司

2012(平成24)年「胆管がん」問題について